摺上川ダムは、集水面積 160 平方キロメートル、総貯水容量 153,000,000立方メートルの中央コア型ロックフィルダムです。摺上川ダムの建設により、ダム地点の計画高水流量 850立方メートル/sを、ピーク時で30立方メートル/sに調節し、下流の摺上川及び阿武隈川沿いの洪水被害の軽減を図り、更に既得及び新規のかんがい用水を湯野地区を始めとする6地区の約4,200ヘクタールに補給し、また福島市を始めとする3市3町の福島地方水道用水供給企業団の水道用水に1日最大249,000立方メートルを、工業用水として福島県に1日最大10,000立方メートルを補給するとともに、新設される摺上川発電所により、東北電力株式会社が最大出力3,000キロワットの発電を行うものです。
摺上川ダムは、福島市が昭和41年から長期的な各用水の需要量等について諸調査を実施し、その結果摺上川開発が最も有効と判断し、県及び国に調査を要請したもので、国では、昭和48年度から予備調査に着手し、広範な調査を実施し昭和56年4月屶振地区を多目的ダムのダムサイトの適地に選定しました。
以降、昭和57年度より摺上川ダム調査事務所を設け実施計画調査に着手し、60年度に工事事務所となり、平成4年10月転流工事着工、平成6年12月には本体建設に着手し、平成14年7月には堤体盛土が完了しました。平成16年2月19日から試験湛水を開始し、平成17年4月にサーチャージ水位に到達し、平成17年9月に完成しました。
ダム上流には住宅、工場などがないため、水質保全の面で大変恵まれた環境にあります。
また、福島市水道水源保護条例の水源保護地域に指定されています。
摺上川ダム及び貯水池諸元
河川名 | 阿武隈川 水系摺上川 |
堆砂容量 | 5,000,000立方メートル | 利水 | |
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ダム名 | 摺上川ダム | 洪水調節容量 | 47,000,000立方メートル | かんがい | 5.076立方メートル/秒 |
位置 | 福島市飯坂町 茂庭地内 |
利水容量 | 101,000,000立方メートル | 水道用水 | 249,000立方メートル/日 |
流域面積 | 160平方キロメートル | 計画高水流量 | 850立方メートル/秒 | 工業用水 | 10,000立方メートル/日 |
目的 | 洪水調整、 流水の正常な機能の維持・ かんがい・ 都市用水・発電 |
計画放流量 | 30立方メートル/秒 最大100立方メートル/秒 |
発電 | 3,000キロワット |
調節流量 | 820立方メートル/秒 | 用地補償 | |||
貯水池 | 設計洪水流量 | 2,100立方メートル/秒 | 家屋 | 約178戸 | |
堪水面積 | 4.6平方キロメートル | ダム | 土地 | 約369ヘクタール | |
堪水延長 | 11.0キロメートル | 型式 | 中央コア型 ロックフィルダム |
事業費 | |
サーチャージ 水位標高 |
306.5メートル | 堤頂標高 | 311.5メートル | 事業費 | 1,100億円(当初) |
常時満水位 | 296.5メートル | 堤高 | 105.0メートル | 1,955億円(変更) | |
最低水位 | 245.0メートル | 堤頂長 | 718.6メートル | 工期 | |
洪水調整水深 | 11.5メートル | 堤頂幅 | 12.0メートル | 工期 | 自:昭和57年度 |
総貯水容量 | 153,000,000立方メートル | 堤体積 | 8,303,000立方メートル | 至:平成9年度(当初) |